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ラバー用のビンテージリガチャーのページです。 名無しの物からブランド品まで紹介して行きます。ランク、金額は参考まで。
◆ご注意◆
製造元などは、当時を知る人やコレクター、ビンテージサックス取扱店から仕入れた情報が多く、各メーカーに確認を取ったわけではありませんのでご注意ください。
1860年創業のフランスの老舗メーカー、Herounard et Benard社が他社にOEM供給していたものです。 フロリダ(スラント)リンク、メイヤーブロス、マーチン、クランポン、ペンゼル・ミューラー等のマウスピースに付属していました。 現在では、"HB"の名で知られていますが、ボナードを製作しているのもこの会社です。また、柳沢に供給されているようです。
名無しのまま付属していたり、"France"や"Martin"など刻印がされている物もあります。仕上げはニッケルやラッカーがあります。 出回っている中で、銀メッキと書いてあることがありますが、殆どがニッケルです。
■レビュー:
金属の厚さはセルマーと同じくらいで、標準的な厚さ。柔らかい振動と繊細な反応が特徴的。
高音域で音が痩せず、最低音付近のまとまり方は、このリガチャー以外では出せたことがない。
リンクなどラバー系のMPCと相性が良く、トナリンなどとはあまり合わない。
こちらもリンクやメイヤーに付属していたものですが、製作会社は不明です。 "MEYER"と打ってある物があるということは、OEM品だと思います。有力な情報では、ネジが角張っているものは50年代から存在したようです。 ジョー・ヘンダーソンが使用しているほか、ジャケ写で良く見ます。
メイヤー以外の刻印は見たことはありませんが、名無しの場合は店で扱いにくく、ジャンク扱いで捨てられてしまうこともあります。 たまに中古マウスピースに付いていますが、店頭ではそのぐらいしか入手できないでしょう。 その割りに愛用者は多く、アルト用、テナー用ともに手に入りにくいです。
たまに粗悪品がありますが、鳴らない、ネジが鋳物、ラッカーの色が明るい、バリを取っていない、といった場合、形だけを真似た最近のものである可能性があります。
■レビュー:
金属の厚さはセルマーと比べて薄い。フルな振動の割りにバリバリと暴れたりせず、繊細な反応が特徴。
ブラックな人たちが好きそうなフルサウンドで、音量が出る。
リンクなどラバー系のMPCと相性が良いが、トナリンに最適。
2本締めのビンテージ品です。左の物の方が古く、フォントが縦長ではありません。同じロゴで、現行の1本締めのような形をしている物も見たことがあります。 中央・右の物は、ロゴは一世代前と同じですが、ネジの形は小さいです。上下で違うものを付けてみましたが、下のほうが古いネジです。
■レビュー:
セルマーならではの、少し詰まった感じは最近の2本締めと変わらない。が、よく振動するため、加工しようなんて気には全くならない。
Theo Wanneによると、50年代に存在したそうです。リードに対して2本のレールが当たるタイプで、使い勝手は最高です。 当時のつくりの良さ、装飾のこだわりが出ています。見た目どおりウェイトは重めです。 ラッカーの色もキンキラキンより品があって・・・というのは音に関係ありませんね。
■レビュー:
意外と良くないが、素材の良さは健在。同じビンテージなら2本締めのほうが好み。
ベニー・グッドマンやジョー・ロバーノが使用していることで有名です。 一般的に「アジャスタブル・リガチャー」、「エクスパンダブル・リガチャー」と呼ばれていましたが、 説明書と箱には、「マグニトーン」と書かれています。古いもので、ロバーノの使用によって有名になった時点で名前を知っている人が少なかったのでしょう。 写真の左がブロンズ、右が洋白(ニッケルシルバー)です。
リングの端に爪があり、反対側に差し込むことで径を調節し、Bbクラ〜テナーラバーまで対応します。 調節するためにはかなり曲げないと爪が外れないのですが、かなり弾性があります。イタリアでは真鍮製のコピー品が出回っていますが、これより金属は厚いです。 真鍮でこの薄さではすぐ歪んでしまいますし、ペラペラな音になるはずです。
■レビュー:
リガチャーの中では恐らく最薄の素材。手に入れる苦労と相まって、持ってみたときの軽さ・堅さからガッカリしたが、割と鳴ってくれる。
最近は価格も落ち着いてきたが、同じ金額を出すなら他に良いリガチャーはある。
キングのビンテージマウスピースに付属しているもので、製作会社は不明です。一時期ジョシュア・レッドマンが使用していました。 ニッケルプレートのものしか確認していません。珍しくリードのサイドに合うように曲げられています。
素材とメッキについてですが、左の写真は真鍮のニッケルメッキのようです。 右側は表面が金色で下に銀色が見えていますが、吹いた感触からしてニッケルが地金ではないようです。 真鍮だとしても重量が軽いようですが、定かなことは分かりません。
■レビュー:
見た目は良さそうに見えるが、鳴りは軽い。重量も軽く、振動からして真鍮っぽさは弱い。
ニューヨークリンクに付属していたもので、30年代〜40年代の物で、製作会社は不明です。 形状はHerounard et Benard社製に似ていますが、年代が違うだけかもしれません。 金属が厚く、ウェイトは非常に重いです。ホーキンスあたりは余裕で吹いてくれそうですが(笑)
■レビュー:
見た目どおり重厚な音になるが、鳴らすのに一苦労。自分はパワープレイヤーではないので、大半のテナーメ〜ンは気に入るかもしれない。
もしくは薄いリードが好みのブラックなプレイヤーか。
リンクやメイヤーに付属していたものに良く似ていますが、こちらは逆締めです。 パーツは同一のものと思われますし、サウンドを比べてみても大きく変わりません。
■レビュー:
正締めとして使用したほうが好みに合う。値が張る場合があるので、名無しの同型を探した方が財布には優しいかも知れない。
現行品と区別する指標にはなる。
作り方がユニークなので載せてみました。ネジ受けの部分が、本体から起こした部分で挟まれています。 海外のオークションで見かけたとき、メーカーが書いてあったのですが、忘れてしまいました。
■レビュー:
ビンテージにしては珍しく十分な振動が感じらず、薄い音になってしまう。構造はシンプルなほうが良いのだろうか。
興味をそそるデザインでレアなため価格は高くなるが、コレクターズアイテムの域を出ない。
新古品のマウスピースに付属いていたので可能性は高いですが、断言は出来ません。特に造りに特徴はありませんが、良く鳴ります。